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自転車旅行

2016年09月5日

8月はバカンスという優雅な響きからは程遠い、ハードな自転車旅行で約3週間、フランス南部のプロヴァンスを周り、最後の週末は旦那さんの叔父さん夫婦の住む、北部のノルマンディーで過ごした。あっという間だが相当に密度の濃い一ヶ月だった。
高校時代の部活動以来、20年ぶりに皮が剥けるくらい日焼けした。南部のからりとした暑さは、日本の夏とは比較にならないほど過ごしやすく、日中は30度を超えても朝晩は涼しいことも多かった。
そして9月に入り、霧雨の舞う今日はなんと外気温17度。すでに肌寒い。これからパリは曇り空と雨の多い冬へと向かって行くのだろう。夏と秋だけ経験した昨年とは違い、今年は春から通してフランスで過ごす初めての年だ。厳しいと言われるヨーロッパの長い冬をどう迎えるか、今から考えただけで何となくソワソワしている。

さて、件の自転車旅行、走行距離を計算してみたら、一番長い日で約45km走っていた。時間にすれば3時間程度、しかしこの3時間以外に、立ち寄った先で歩き通しだったり、坂を登り降りしていたり、さらに道に迷ったりすることがあると(車の多い大きな道を避け、小さな道を地図で探しながら走る為)、一日の終わりには本当にくたびれてしまう。まあ、これも普段の運動不足が大いに関係しているのだが。基本的な事ながら、しみじみ実感したことは、自転車の場合はたとえ距離が同じでも、天候・風の有無・坂の有無という3点で、疲労度が全く変わって来るということだ。
周りの景色も目に入らないくらい疲れていると、私はこの旅を楽しんでいるのだろうか、と自問自答したものだが、小回りが利いてどこにでも気軽に立ち寄れ、その土地の風や空気を肌で感じながら、徐々に変わって行く風景を楽しめる、という点では、自転車の旅も悪くない。繰り返しになるけれど、体力的な問題が無ければ。
人間苦しい時には遠慮がなくなるもので、私も大いに旦那さんに当たったが(毎度距離が長過ぎるというその一点のみが問題)、今回の旅の話をすると何故か「不満も言わずに頑張ったね」と言う。あれは不満以外の何物でもなかったはずなのだが、、、確かに最後の方では私も休憩を主張するタイミングが分かって来たし、彼も少し休もう、と言ってくれることが多くなったので、険悪になることがなかった。少しは体力がついたということもあるのかもしれない。最後の印象が良かったからなのだろうか?終わりよければすべてよし?それとも、そう言われると私が辛かったことを忘れて、ついまた次の誘いに乗ってしまいそうになる単純な人間だと分かっているのだろうか。喉元過ぎれば何とやら、既にそんな気がしている今日この頃である。