Illustratrice japonaise basée à Paris.

フランス語講座

2017年12月7日

以前書いたブログの日付を見たら、既に4ヶ月が経とうとしていた。気分屋なことに自覚はあるが、さすがにここまでサボると季刊誌のようだ。であれば季節の話題から始めようと思う。
 
12月に入って、パリはめっきり寒くなった。気温は10度以下、最低気温はマイナスになることもある。先週は久しぶりに雪が降った。というか、パリで雪を見たことはまだほんの数回しかない。牡丹雪のように見えたので、少しは積もるのかと思ったけれど、せいぜい数センチ程で、翌朝には消えてしまった。
巷はノエル(クリスマス)の雰囲気でそわそわし始めた様子、しかし夫はノエルが嫌いで、私もさほどイベントに熱心になるタイプでもなく、このまま何となく過ごして行ってしまいそうな気がする。
 
キリスト教といえば、遠藤周作の「沈黙」、スコセッシ監督の映画を観てから、原作を読んでみたいと思っていた所、運良く持っている方と知り合い、貸してもらった。我が家では就寝前が読書タイムで、もっぱら最近私はそれを読んでいる。その筆致があまりにも巧みなせいなのか、映画が原作に忠実であったということなのか、脳内で映画の場面が逐一再生されるのが面白い。遠藤周作は実はこれが初めてだが、他のものも読んでみたいという気にさせられる。
 
さて、表題のフランス語講座である。何を隠そう、フランスに移住して早1年と8ヶ月、今まで一度もフランス語を夫以外の人から学んだことがなかった。本来ならば、移民局から召集が来て、フランス語のレベルをチェックされ、規定のレベルに満たない場合は移民用の学校に通うことになると聞いていたが、健康診断に関する召集はあったものの、その他は何も求められないままだった。市が開催している講座は二度申し込んだものの応募者多数で落ちてしまい、インターネットと夫が私の先生だったのである。
それがこの度、知人の情報提供をきっかけに、自宅から徒歩10分以内で行けるフランス語講座を発見した。最初に簡単なテストを受け、私の通えるクラスは何と週に3つもあった。しかも料金は年25ユーロのみ。先生達は皆ボランティアなのだろう。毎回先生がプリントを用意してくれて、それにそって授業が行われる。教材を買う必要もなく、少人数なので毎回発言の機会も豊富にある。本当に有難いと思う。
 
生徒は様々な国から来ており、把握しているだけでも、カンボジア、中国、ブラジル、ポーランド、コロンビア、エジプト、ポルトガル、そして日本。フランスは本当に移民大国なのだと実感する。母国語なまりの色んなフランス語が飛び交うのがまた面白い。既に働いている人達も多くいて、男女比は1:9位。先生達は皆女性である。
移住後、自分と同じようにフランス語を学ぶ人との交流が全くなかったので、その存在が刺激や励みになり、講座の時間はいつも楽しみだ。時々各国の事情を漏れ聞くこともあり、興味津々で色々と質問してしまう。
日本に居た時は、日本が世界の全てのように感じたけれど、ここでは日本はたくさんある国の中の一つ。ほんの小さな一国なのだとしみじみ思う。
多文化、共生。ここ数年で世界的に起きている問題を考えるヒントが、こういう身近な場所にも繋がっている気がしている。