Illustrator & Graphic designer based in Paris.

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2016年11月4日

ここ数年、自分の歳の下一桁がボンヤリしている。新年明けてしばらくは、平成の年号を間違えそうになるのと同じように、自分の歳も一つ重ねたことに意識が付いて行かず、えーっと今何歳だったっけ、と数秒間が空くことがある。十代の時は1歳の差があんなにも大きく感じられたのに、社会に出てからは、1歳差なんてあってないようなものだ。人を年齢で測ることに、あまり合理性がないと気づいたからかもしれない。
30代も後半になると、人のバックグラウンドは多種多様で、国を跨げばそれは更に爆発的な広がりを見せる。海外で人と出会った時は特に、その人の人となりを、つまり外見、態度、話し方、発言内容などから(多分無意識に)判断していて、年齢を聞けば、へえ、とは思うが、取り立てて何かの指標にはならない。年齢の意味するところ、日本でよく取りざたされるような、年齢の裏の意味、みたいなものを意識することがあまりない。日本の社会はそれだけ、何歳ならこうあるべき、というロールモデルが強く掲げられているということだろうか。本当は持って生まれたものも、経験してきたことも人によって違うから、ある年齢に達したところで、その状況が似通うとは限らないのに、その前提を同じものだと仮定して、比較し、優劣を付けるのに忙しそうだ。仲間内で競い合うよりも、一緒により良いものを目指す方が余程建設的だし、面白そうなんだけど。

6日でまた一つ歳を重ねる。ここまで来れた幸運と、触れて来た人の温かさに感謝しつつ、今一度、原点に立ち返って、辛抱強く心に問いかけたい。何がしたいのか、どう生きたいのかと。